
10-16-2013, 03:12 AM
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「そうだよね。眠れるわけがないもんね」 無意識のうちに真鶴になって声を拾ってしまった。振り返ると雅博《まさひろ》がそこにいるではないか。雅 博は旅装で那覇港に現れた。
「スマイルもだいぶまいってるみたいよ。社長が、というより周りの幹部連中がだけど。実は今朝方、とうとう 向こうから会いたいって言ってきたらしいの」 津波古はここにいろ、と真牛を浜に置いて遊郭に戻った。それからしばらくして辻の街から黒い煙が立ち上っ たではないか。
焦りながらも、気の重いことが先に延びたという、かすかな安堵もあった。深刻な話でも聞かされたなら、自 分は今夜から寝込んでしまうだろう。 荻原が、運ばれてきたアイスコーヒーを手に持つ。ストローを抜きとり、直接口で飲んだ。
と廚房の寄満《ユインチ》にいた真美那が螺鈿《らでん》細工の食籠《じきろう》を渡す。中は五色を尽くし た豪勢な料理だ。 「王府が必要としていても固辞するのかい?」
「でかいこと?」 「嘘つけ。貴様だって前任者の林さんのことは知ってんだろう。あの人と比べてみろよ、工藤のやってることを 」
聞得大君が神扇を悠然と煽《あお》いだ。 「またですか」佐伯が鼻毛を抜きながら言った。
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